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バターワースフィルタとは?|Q=0.707の意味と設計方法をわかりやすく解説

オペアンプ

バターワースフィルタという言葉を聞いたことはあるものの、
「なぜQ=0.707なのか」「何が優れているのか」
疑問に感じていませんか?

フィルタ設計では、特性(Q)の選び方によって
回路の動作が大きく変わります。

この記事では、バターワースフィルタの特徴や意味、
Sallen-Key回路での設計方法まで、初心者向けに解説します。

バターワースフィルタとは

バターワースフィルタとは、
通過帯域が最も平坦になるように設計されたフィルタです。

リップル(波のような揺れ)がなく、
自然な周波数特性を持つのが特徴です。

バターワースフィルタでは、
カットオフ周波数でゲインが-3dB(約0.707倍)になります。

Q=0.707とは何か

2次フィルタにおいて、
Q=0.707(=1/√2)のとき、
最も平坦な特性になります。

この値が、バターワース特性を実現する条件です。

なぜQ=0.707なのか

Qが高すぎるとピークが発生し、
特定の周波数が強調されてしまいます。

一方、Qが低すぎると減衰が緩やかになり、
フィルタとしての性能が低下します。

Q=0.707は、2次フィルタにおいて
「ピークが発生しないギリギリの値」です。

これよりQが大きいとピークが発生し、
逆に小さいと減衰が緩やかになります。

そのため、平坦さと減衰のバランスが最も良い値として
Q=0.707が採用されています。

ボード線図での特徴

・通過帯域:平坦(リップルなし)
・カットオフ付近:滑らかに減衰
・減衰:-40dB/dec(2次フィルタ)

Sallen-Keyでの設計

Sallen-Key回路では、ゲインによってQ(品質係数)が決まります。

特に、R1=R2、C1=C2の構成では、
Qは以下の関係で表されます。

Q = 1 / (3 – K)

ここで、Kはオペアンプのゲインです。

この式にQ=0.707を代入すると、
K ≈ 1.586となり、
バターワース特性が得られます。

R1=R2、C1=C2、かつゲインが1(バッファ)の場合、
Qは0.5となります。
この条件ではバターワース特性(Q=0.707)にはならず、
カットオフ周波数で約-6dBとなります。

バターワース特性(Q=0.707)を実現するためには、
Sallen-Key回路のゲインを約1.586に設定する必要があります。

非反転増幅回路のゲインは
K = 1 + (Rf / Rg)で表されるため、

Rf = 5.9kΩ、Rg = 10kΩとすることで、
ほぼ理想的なバターワース特性を得ることができます。

バターワースフィルタは「通過帯域が平坦」であることが特徴であり、
必ずしもゲインが0dBである必要はありません。

本回路ではオペアンプのゲインを約1.586としているため、
通過帯域のゲインは約4dBとなります。

設計式(ローパス)

カットオフ周波数は上記の式で求められます。

よく使う簡易設計

C1 = C2
R1 = R2

このとき、
Q ≈ 0.707(バターワース特性)となります。

設計例

fc = 1kHz
C1 = C2 = 0.01μF

R1 = R2 ≈ 15.9kΩ → 16kΩ

標準抵抗値に丸めて使用します。

メリット

・通過帯域が平坦(自然な特性)
・扱いやすい
・最も一般的に使われる

デメリット

・急峻さはチェビシェフより劣る

他のフィルタとの比較

バターワース → 平坦(標準)
チェビシェフ → 急峻(リップルあり)

どんなときに使う?

・音声信号処理
・ノイズ除去
・一般的なアナログ回路

迷ったらバターワースが基本です。

まとめ

・バターワースは最も平坦なフィルタ
・Q=0.707が条件
・Sallen-Keyで簡単に実現可能
・初心者はまずこれを使うのが基本

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・Q(品質係数)とは?:https://saigusalife.com/op-amp/quality-factor-q-filter/
・Sallen-Keyフィルタとは?:https://saigusalife.com/op-amp/sallen-key-filter/
・ローパスフィルタとは?:https://saigusalife.com/op-amp/low-pass-filter/
・カットオフ周波数とは?:https://saigusalife.com/op-amp/cutoff-frequency/
・アクティブローパスフィルタの設計方法:https://saigusalife.com/op-amp/active-low-pass-filter-design/

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