差動増幅回路は、センサ信号の増幅やノイズ除去など、
実際の電子回路でもよく使われる重要な回路で、
2つの入力信号の「差」を増幅する回路です。
オペアンプ回路の基本として非常に重要であり、
ノイズに強い回路としても広く利用されています。
この記事では、
差動増幅回路の仕組みや動作原理を
初心者向けにわかりやすく解説します。
差動増幅回路とは
差動増幅回路とは、
2つの入力信号の差(差動信号)を増幅する回路です。
出力は以下のように表されます。
Vout = A × (V2 – V1)
回路構成

差動増幅回路は、
オペアンプと4つの抵抗で構成されます。
抵抗の比を揃えることで、
正確な差動増幅が可能になります。
動作原理
差動増幅回路では、
2つの入力信号の差だけが増幅されます。
両方の入力に同じ信号(同相信号)を与えた場合、
理想的には出力は0になります。
例えば、外部ノイズのように両方の入力に同じ信号が入る場合、
差動増幅回路ではその影響を抑えることができます。
単一入力との違い
通常の増幅回路は1つの信号を増幅しますが、
差動増幅回路は2つの信号の差を増幅します。
この違いにより、
ノイズの影響を受けにくくなります。
利得(ゲイン)
差動増幅回路のゲインは、
抵抗の比によって決まります。
Rf/R1の比を調整することで、
任意のゲインを設定できます。
同相除去比(CMRR)とは
同相除去比(CMRR)は、
同じ信号(ノイズ)をどれだけ除去できるかを示す指標です。
値が大きいほど、
ノイズに強い回路になります。
メリット・デメリット
メリット
・ノイズに強い
・微小信号の検出に適している
デメリット
・抵抗の精度に影響される
・回路がやや複雑
LTspiceで確認してみよう
LTspiceを使うことで、
差動増幅回路の動作を確認できます。
2つの入力に異なる信号を与え、
出力の変化を確認してみましょう。
以下の例では、ゲイン1で試しています。
+側に振幅1の1kHzの交流電圧(180°ずらした)を入力として与え、
-側に振幅1の1kHzの交流電圧を入力として与えています。

シミュレーション結果は以下のようになります。
黄緑の波形が+側の入力で青い線が-側の入力です。
赤い波形が出力となっており、黄緑から青線の引いた値が赤線になっているのがわかります。

応用として、
同じ信号を入力した場合、
出力がほぼ0になることを確認してみましょう。
これにより、
差動増幅回路がノイズに強いことが実感できます。
シミュレーション方法は、こちらの記事で解説しています。
→ LTspiceのシミュレーション方法
LTspiceの波形の見方はこちら
→ LTspiceの波形の見方
応用例
差動増幅回路は、
以下のような用途で使われます。
・センサ信号の増幅
・ノイズ除去
・計測回路
次にやること
差動増幅回路を理解したら、
オペアンプの応用に進みましょう。
まとめ
・差動増幅回路は2つの信号の差を増幅する
・ノイズに強い回路である
・オペアンプ回路の基礎として重要
まずは動作原理を理解し、
LTspiceで確認してみましょう。
