バンドパスフィルタとは何か分からず、
悩んでいませんか?
ローパスフィルタやハイパスフィルタは理解できても、
「どう組み合わせるのか」「どんな場面で使うのか」
分かりにくいと感じる方も多いと思います。
この記事では、バンドパスフィルタの仕組み・カットオフ周波数・使い方を、
初心者向けに分かりやすく解説します。
バンドパスフィルタとは
バンドパスフィルタとは、特定の周波数帯だけを通し、
それ以外の周波数を減衰させる回路です。
「特定の範囲だけ通すフィルタ」です。
ローパス・ハイパスとの関係
バンドパスフィルタは、
ローパスフィルタとハイパスフィルタを組み合わせた回路です。
2つのフィルタの良いとこ取りです。
回路構成

ハイパスフィルタの後にローパスフィルタを接続します。
イメージ
入力 → ハイパス → ローパス → 出力
動作原理
低周波
ハイパスフィルタで遮断されます。
高周波
ローパスフィルタで減衰します。
中間周波数
特定の周波数帯だけが通過します。
両側をカットして中央だけ残すイメージです。
通過帯域でも完全にそのまま通るわけではなく、
周波数によってゲインは変化します。
カットオフ周波数(2つある)
下限カットオフ
低周波側のカットオフ周波数
上限カットオフ
高周波側のカットオフ周波数
2つのカットオフで範囲が決まります。
帯域幅(バンド幅)

通過する周波数の幅を表します。
ボード線図での特性

低周波と高周波で減衰し、
中央の周波数帯で最大となります。
山のような形になります。
使い方
・特定周波数の抽出
・ノイズ除去
・音声信号の調整
必要な信号だけ取り出すために使います。
計算例
条件
ハイパス(低周波カット側)
・C=1μF
・R=1kΩ
ローパス(高周波カット側)
・R=200Ω
・C=2.5μF
①下限カットオフ周波数(ハイパス)

R = 1000 Ω
C = 1 × 10⁻⁶ F
f_L = 1 / (2π × 1000 × 1×10⁻⁶)
≈ 159 Hz
下限カットオフ周波数:約159 Hz
②上限カットオフ周波数(ローパス)

R = 200 Ω
C = 2.5 × 10⁻⁶ F
f_H = 1 / (2π × 200 × 2.5×10⁻⁶)
≈ 318 Hz
上限カットオフ周波数:約318 Hz
③帯域幅(Bandwidth)

BW = 318 – 159 = 159 Hz
帯域幅:約159 Hz
⑤中心周波数
バンドパスフィルタでは、
通過帯域の中心となる「中心周波数」も重要な指標です。

f_0 = √(159 × 318)
≈ 225 Hz
中心周波数:約225 Hz
⑥Q(品質係数)
帯域の鋭さを表す指標として、
Q(品質係数)も使われます。

Q = 225 / 159
≈ 1.42
計算例のまとめ
ハイパスフィルタ(R=1kΩ, C=1µF)と
ローパスフィルタ(R=200Ω, C=2.5µF)を組み合わせると、
・下限カットオフ周波数:約159Hz
・上限カットオフ周波数:約318Hz
となり、約159Hz〜318Hzの周波数帯のみ通過する
バンドパスフィルタになります。
メリット・デメリット
メリット
必要な信号だけ取り出せる
デメリット
回路が少しだけ複雑になる
よくある疑問
Q:なぜ2つ必要?
通過帯域を決めるためです。
Q:ローパスだけではダメ?
不要な低周波が残るため不十分です。
まとめ
・特定の周波数帯だけ通す
・2つのカットオフで決まる
・ローパスとハイパスの組み合わせ
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